鎌倉クラフトジン露の誕生秘話 vol.1
意外な誕生
私のサラリーマン時代は、正直、あまりジンを飲んだことがありませんでした。定年退職後、地元ラジオ局の役員に就任した2021年の秋、クラフトジンの輸出量が増えているとの新聞記事が目に止まりました。その同じタイミングだったと思います。鎌倉には国内外から年間約1600万人もの観光客が訪れますが、宿泊施設が少ないことから、ほとんどが日帰りで観光消費額が伸び悩んでいることを知りました。本当に意外でした。そこで「せめて、夕食を食べて帰ってもらいたい」と、夜の街を活性化させ、経済発展に寄与できればと考え始めていました。

鎌倉十井「甘露の井」を知る
地元ラジオ局の社長の朝比奈惠温氏とは役員就任が同じタイミングでした。朝比奈氏が社長で私が副社長の役割でした。そもそも、朝比奈氏は鎌倉五山の浄智寺という歴史ある有名な臨済宗のお寺のご住職でした。勉強会や懇親会の場で、鎌倉の著名人を紹介してもらったり、鎌倉のお寺の事、歴史や文化等、教えてもらいました。そんな時、名水・鎌倉十井(かまくらじっせい)の事を知りました。「江戸時代、水質に恵まれない鎌倉の土地において、質の良い水が湧き出す井戸は貴重な水源でした。鎌倉十井とは、水質も良く美味で、伝説やいわれが残る鎌倉を代表する十の井戸のことです。」(鎌倉市観光協会ホームページより)そこで、この名水を何か利用できないかと考えました。クラフトジンの輸出や販売が好調との新聞記事を思い出し、すぐに調べ始めました。国内外の蒸留所のこと、ジンの作り方、ボタニカルのこと等々。「そうだ!クラフトジンを作ろう」とアイデアが頭に浮かびました。
