酒場紀行 vol.12
戸塚 フランス料理「Hitotsu(ひとつ)」
JR戸塚駅から歩いて数分の静かな通りに、やさしい灯りがともるフランス料理レストラン「Hitotsu(ひとつ)」がある。扉を開けると、ふわりと漂うバターの香りに包まれ、肩の力がすっと抜けていく。

オーナーシェフの野田さんは、「幸せが生まれる場所であるように」との願いを胸に、日々キッチンに立つ。フランス料理の枠にとらわれず、地元産の野菜や魚、肉を使いながら、その時々の季節が持つ美しさと、素材が持つ生命力を皿の上に映し出す。「忙しい日常から少し離れて、心も身体もほっとできる場所にしたいんです」と野田さん。Hitotsuでは、旬の食材を生かした身体に優しいコース料理を中心に、アラカルトメニューの用意もある。ペアリングには、こだわり抜いたワインが並ぶ。

そして、もうひとつのこだわりが鎌倉クラフトジン「露」。透明感ある「露」の香りが料理の余韻を引き立て、心地よいアクセントを添えている。グラスを傾けるたびに、料理と土地、そして人の思いがひとつに結ばれるようだ。
オーナーシェフの野田さんの奥さまは、植物料理家として料理教室や食事会を開催し、日々の暮らしの中で食と自然の調和を伝えている。その世界観は、Hitotsuの空気そのものをやわらかく包み込んでいた。

戸塚という街の中に、ほんの少し特別な時間を生む場所。Hitotsuには、静かに「幸せ」が宿っている。
戸塚 レストランHitotsu(ひとつ) https://www.restaurant-hitotsu.com
