鎌倉クラフトジン露の誕生秘話 vol.2
鎌倉クラフトジン「露」に決定!
鎌倉クラフトジンをつくろうと決心してから、蒸留所の手配やボタニカルの選定などいろいろ忙しくなってきました。その一方でジンの名前を何にするか毎日考えていました。北鎌倉に佇む禅寺。浄智寺の境内に湧く「甘露の井」。古くから人々の喉を潤してきた水。蜜のように甘く、不老不死の効能があると言い伝えられている水。そうだ!この名水を使わせてもらおう!ジンの名前もこの甘露の「露」以外の選択肢はありませんでした。さっそく、この「露」の字を使わせてもらおうと朝比奈ご住職にお願いに行きました。ご住職から即座にご快諾をいただき、こうしてジンの名前が決定しました。ラベルの字も図々しくお願いをし、ご住職の墨跡を使用することができました。筆から生まれた一文字は、力強さと繊細さを合わせ持ち、まさに私がイメージしていた書そのものでした。今、その文字はボトルのラベルに宿り「露」の顔としてお客さまに届いています。

ボタニカルの選定に苦労
ジンはクリアなスピリッツ(ベーススピリッツ)にジョニパーベリーをはじめとする、様々なボタニカル加えて蒸留します。鎌倉らしいジョニパーベリーは何か?昔、鎌倉の天園ハイキングコースによもぎが生えていたのを思い出しました。そうだ、これだ!よもぎは単なる雑草ではなく、ヨーロッパでも古くから人々の生活に深く関わってきたハーブです。さっそく、鎌倉クラフトジンの立ち上げからコンサルとして協力してくれた立川さんたちとよもぎを取りに行くことが決まりました。

さて、よもぎはどこに生えているのか・・・天園ハイキングコースが毎日の散歩コースと言う友人が生えている場所を教えてくれることになりました。愛犬のラブラドールと一緒に案内をしてくれました。途中、少し険しい山道で私たちが遅れ気味になると、ラブラドールが心配そうに何度も振り返り、私たちが追いつくまで待っていてくれるお利口さんでした。鎌倉で一番高い山「大平山」(159.2m)付近でよもぎをたくさん取ることができました。山を下りる途中、案内役をしてくれた友人が秘密のパワースポットを案内してくれました。そこは少し視界が開けて鎌倉の街が見渡せる場所でした。足を止めまた途端、海からの心地よい風が通り過ぎて行くのを感じました。風がない穏やかな日なのに、やはりここはパワースポットなのか・・・私の会社名「風雅」の「風」は、ここで感じた風を付けたものです。この風が追い風となることを願って!ところで、このよもぎがまさかの展開になるとはこの時点では誰も予想できずにいました。
