鎌倉クラフトジン露の誕生秘話 vol.5
浄智寺にて名水を汲む
北鎌倉の浄智寺は、山門をくぐるといつもどこか神聖な気配を漂わせています。古来より人々の喉を潤し、心を癒してきた「甘露の井」。容器に入れる前に、名水を一口含むと柔らかくて、すっと喉を通り抜ける感じがしました。少し甘く、重さもなく、ただ「清らか」と言う言葉がピッタリでした。この名水がジンの命となる。浄智寺の書院裏手に井戸があります。ひんやりととした空気が清々しい。朝比奈ご住職が容器を支えてくださり、私がそっと名水を汲み上げる。この水の輝きを見つめながら「露」の新たな物語がはじまると思うと、心がワクワクしてきました。さっそく、容器に入れて沼津蒸留所へ送りました。

初めての蒸留
鎌倉駅から沼津駅へ横須賀線と東海道線を乗りついで沼津へ向かう。1時間40分余りで沼津駅に着いた。駅の自動改札機にSuicaをタッチして出ようとしたらゲートは開かない。そうか!沼津駅はJR東海エリアだった。駅から沼津蒸留所までは徒歩10分ほどで着く。蒸留所の目の前は狩野川が流れる。早速、沼津蒸留所(株式会社FLAVOUR)でボタニカルのジョニパーベリー、グレープフルーツピール、よもぎ茶を確認。今回は特別にボタニカルをポットスチルに投入させてもらいました。鎌倉クラフトジン露を形にするため、確かな技術を誇る沼津蒸留所の小笹社長と永田さんの協力を仰ぎました。何もかもが初めての経験です。
